南イタリア・プーリア州 The Flavors of Puglia プーリアの味を巡る旅 〜ルティリアーノ〜カザマッシマ〜
vol.2【ルティリアーノのマッセリアで料理】
Focaccia in a Masseria, RUTIGLIANO
vol.2【青い街・カザマッシマ】
CASAMASSIMA
Puglia プーリア
南イタリア・プーリア州は、文化、芸術、自然、建築、伝統工芸、そして美味しい料理とワインが融合した歴史ある地方だ。ブドウ畑やオリーブの木々が彩り、太陽の光が降り注ぎ、地中海が目前の壮大な景観を持つ自然の魅力がある。
Pugliese-style
プーリアで暮らすように旅する
どこか懐かしさを感じるような街。家庭的なマンマ(お母さん)のようなシニョーラが切り盛りする店に人々が集い、伝統的名産に携わるシニョーレの職人が美食をふるまい、まるで地元で暮らしているかのような居心地のよいプーリアの雰囲気。伝統と歴史に培われた、プーリアらしさのアイデンティティを表す「味」を紹介する。
【アルタムーラのパン】
Bread in ALTAMURA【ルティリアーノのマッセリアで料理】
Focaccia in a Masseria, RUTIGLIANO
【青い街・カザマッシマ】
CASAMASSIMA(以降、次回更新)
【コラートのオリーブオイル】
Olive Oil in CORATO
【サン・セヴェーロのワインセラーを訪ねる】
Wine in SAN SEVERO【アンドリア産ブッラータのチーズ職人】
Burrata in ANDRIA
【港町のモスカート・ディ・トラーニ】Moscato in TRANI【バーリの歴史的散策、オレキエッテ通り】
Orecchiette in BARI【バーリのサン・ニコラ祭 (5月)】
Festa di San Nicoa in BARI (May)
ルティリアーノのマッセリアで料理
“Cavatelli” Pasta, Focaccia in Masseria, RUTIGLIANO
この日は、ルティリアーノにある「Masseria Agrituristica Lama San Giorgio(マッセリア アグリトゥーリスティカ ラマ サン ジョルジョ)」での料理教室を体験。
Masseria(マッセリア)は、プーリア州の魅力の一つである、宿泊や食事ができる農園のホテル。ここLama San Giorgioは広大な敷地を有し、降り注ぐ陽光、緑豊かな畑、色鮮やかな花々といった、大都市の観光では得られない自然本来の豊かさの魅力がある。最初に、農学者のガイド付きで、畑を散策。テーブル用グレープとワイン用グレープのブドウ畑を巡り、古代のオリーブの木々に歴史を感じ、さまざまな品種のハーブの植物を実際に見る。
次にガーデンで、オリーブオイルのテイスティング。使用したのは、2種類のエスクストラバージンオイル。まず、オイルを注がれたグラスを手のひらで蓋をして回して温めて、立ち上る香りを確かめる。少量を口に含んだら、ソムリエのようにオイルをすすって舌の上で転がし、次に喉まで行き渡らせる。レクチャーされる通り試してみることで、それそれのオイルが持つアロマ(芳香)や、甘味、苦味、酸味、辛味といった味覚がより繊細に感じられる。
宿泊の部屋は、白で統一されてエレガント。中庭のある部屋もある。貴族の邸宅のような門扉をくぐると、プールが見えてくる。イタリアの昔の領主が、郊外の別荘を訪れる気分が味わえる。
本場で教わる、プーリア郷土料理の料理教室
次に、「カヴァテッリ」パスタとバーリ伝統のフォカッチャの作り方を習う料理教室を体験。エプロンが用意され、テーブルには当日のレシビが置かれている。
「カヴァテッリ」は、プーリアの伝統的なショートパスタ。作り方はセモリナ粉、湯、塩のみ。セモリナ粉を山を作るように作業台に置いて窪ませ、そこに水分を加える。生地が吸収したら、滑らかになるまでこねる。少人数の家庭的な雰囲気の中、温かく気どりのない先生の教えで必要な際は手助けがあり、レッスンが順調に進む。寝かせた生地を薄く伸ばして細長く棒状にし、小さな角切りに短くカットして、そこからパスタの形を整える。指で転がしたり、おろし器やフォークなどで転がして形を付けていく。くるっと回したパスタができると、その簡単さと成功した嬉しさに、次々と生徒たちの歓声があがる!
フォカッチャは、じゃがいもを茹でて潰し、ボウルに小麦粉とセモリナ粉を入れて混ぜ合わせ、水と溶かしておいたイーストを加える。全体を混ぜ合わせ、農園で先程テイスティングした自社のエスクストラバージンオリーブオイルと、塩を加える。オイルは十字を切るように入れるのがポイント。先生の実演の後に、同じように生徒が続く。生地を適宜休ませながら、最後は新鮮なトマトを切って乗せ、オレガノや塩で味付けし、180℃のオーブンで約20分焼く。最後は、先生や仲間の生徒と料理の成果を愉しむ、ひととき。 この日は、ドライなロゼワインと合わせてテイスティング。
農場をたっぷり時間をかけて散策し、土地の恵みを体感して学び、実際に作って味わう。旅の思い出となる、アグリツーリズモの経験ができる。
Masseria Agrituristica Lama San Giorgio
https://lamasangiorgio.it
青い街・カザマッシマ
CASAMASSIMA
カザマッシマは、青に彩られたファンタジックな地区だ。しかし、過去には長きに渡り、近隣の領主の圧政や海外からの攻撃に苦しんだ時代があった。そして、17世紀にペストが流行り、甚大な被害から人々が救われるように、建物を青く塗ったことが始まりと言われている。青は、聖母マリアのマントと同じ色で感謝を示している。そして、カザマッシマを象徴する色となり、「青い街」として有名になった。現在も、旧市街の路地にその象徴的な景色が見られる。ミラノの画家、ヴィットリオ・ヴィヴィアーニもこの美しい場所にインスピレーションを得て創作をしている。
カザマッシマ旧市街から程近い場所にあるのが、ワインバー「Carême」。ここは、豊富なワインを取り揃えており、ワインショップでもある。プーリアのワインコーナーをはじめ、サルデーニャ、ベネト、ピエモンテ、トスカーナなど、イタリア中のワインセラーから厳選したセレクションが揃っている。料理の味も、ワインによく合い、非常に美味しい。ワインを取り扱うエノテカの店として食通に知られるガイドブックの受賞歴を持ち、ワイン通も愉しめる店。カザマッシマを訪れたら、ぜひ立ち寄りたい店だ。
プーリアのワイン
Carême
@caremeviaggidigusto
(次回に続く)
南イタリア・プーリア州
The Flavors of Puglia プーリアの味を巡る旅
vol.3
【コラートのオリーブオイル】Olive Oil in CORATO
【サン・セヴェーロのワインセラーを訪ねる】Wine in SAN SEVERO
PUGLIA プーリア
Routes & Experiences vol.1〜5
この旅は、「パンの街」として知られる古都アルタムーラの歴史的なベーカリーから始まる。焼き立てのパンを味わったら、翌日はルティリアーノへ。泊まることもできる美しいブドウ畑とオリーブ畑を持つ“マッセリア”を訪れ、フォカッチャやパスタを作る料理教室を体験。「青い街」と呼ばれるカザマッシマを訪れ、翌日はエクストラバージンオリーブオイルの産地で知られるコラートへ。次に、DOCワイン生産地であるサン・セヴェーロの歴史あるワインセラーでテイスティング。アンドリアでは職人と共にブッラータやモッツァレラなどのチーズを知り、地中海に面した港町のトラーニでデザートワインのモスカート・ディ・トラーニを愉しむ。
最後は、州都バーリの街の魅力や旧市街のオレキエッテ通り、5月に開催されたばかりの毎年行われる地元の祝祭をレポート。プーリア州に伝わる食の伝統や歴史を探求しながら体験する旅を、全シリーズ5回に分けて紹介する。
【アルタムーラのパン】
Bread in ALTAMURA【ルティリアーノのマッセリアで料理】
Focaccia in a Masseria, RUTIGLIANO
【青い街・カザマッシマ】
CASAMASSIMA【コラートのオリーブオイル】
Olive Oil in CORATO
【サン・セヴェーロのワインセラーを訪ねる】
Wine in SAN SEVERO【アンドリア産ブッラータのチーズ職人】
Burrata in ANDRIA
【港町のモスカート・ディ・トラーニ】Moscato in TRANI【バーリの歴史的散策、オレキエッテ通り】
Orecchiette in BARI【バーリのサン・ニコラ祭 (5月)】
Festa di San Nicoa in BARI (May)
<Information>
公式サイト
www.weareinpuglia.it
協力
PUGLIAPROMOZIONE(プーリア州観光局)
https://www.viaggiareinpuglia.it/en/
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photo & text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE 編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。
【SNS】 STARRing MAGAZINE
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