南イタリア・プーリア州 The Flavors of Puglia プーリアの味を巡る旅 〜バーリ〜
vol.5【バーリのサン・ニコラ祭 (5月)】 Festa di San Nicola in BARI (May)
Puglia プーリア
南イタリア・プーリア州は、文化、芸術、自然、建築、伝統工芸、そして美味しい料理とワインが融合した歴史ある地方だ。ブドウ畑やオリーブの木々が彩り、太陽の光が降り注ぎ、地中海が目前の壮大な景観を持つ自然の魅力がある。
Pugliese-style
プーリアで暮らすように旅する
どこか懐かしさを感じるような街。家庭的なマンマ(お母さん)のようなシニョーラが切り盛りする店に人々が集い、伝統的名産に携わるシニョーレの職人が美食をふるまい、まるで地元で暮らしているかのような居心地のよいプーリアの雰囲気。伝統と歴史に培われた、プーリアらしさのアイデンティティを表す「味」を紹介する。
PUGLIA プーリア
Routes & Experiences vol.1〜5
この旅は、「パンの街」として知られる古都アルタムーラの歴史的なベーカリーから始まる。焼き立てのパンを味わったら、翌日はルティリアーノへ。泊まることもできる美しいブドウ畑とオリーブ畑を持つ“マッセリア”を訪れ、フォカッチャやパスタを作る料理教室を体験。「青い街」と呼ばれるカザマッシマを訪れ、翌日はエクストラバージンオリーブオイルの産地で知られるコラートへ。次に、DOCワイン生産地であるサン・セヴェーロの歴史あるワインセラーでテイスティング。アンドリアでは職人と共にブッラータやモッツァレラなどのチーズを知り、地中海に面した港町のトラーニでデザートワインのモスカート・ディ・トラーニを愉しむ。
最後は、州都バーリの街の魅力や旧市街のオレキエッテ通り、5月に開催されたばかりの毎年行われる地元の祝祭をレポート。プーリア州に伝わる食の伝統や歴史を探求しながら体験する旅を、シリーズ全5回に分けて紹介する。
【アルタムーラのパン】
Bread in ALTAMURA【ルティリアーノのマッセリアで料理】
Focaccia in a Masseria, RUTIGLIANO
【青い街・カザマッシマ】
CASAMASSIMA【コラートのオリーブオイル】
Olive Oil in CORATO
【サン・セヴェーロのワインセラーを訪ねる】
Wine in SAN SEVERO【アンドリア産ブッラータのチーズ職人】
Burrata in ANDRIA
【港町のモスカート・ディ・トラーニ】Moscato in TRANI【バーリの歴史的散策、オレキエッテ通り】
Orecchiette in BARI【バーリのサン・ニコラ祭 (5月)】
Festa di San Nicola in BARI (May)
バーリの歴史的散策、オレキエッテ通り
Orecchiette in BARI
南イタリア・プーリア州の中心で、活気に満ちた雰囲気のバーリ。アドリア海に面した港町で海運業によって繁栄し、文化や商業の中心地として花開いた街。何世紀にも渡って発展してきた歴史の変遷が、街の魅力そのものになっている。
古代ギリシャ文明によって築かれ、ビザンツ帝国に征服され、その後もノルマン人、近代の戦時中はフランスやスペインなど統治の影響を受けてきた。中世には、教会や城壁で囲まれる要塞都市となり、聖ニコラ大聖堂は巡礼の地となった。
旧市街(Bari Vecchia)はアドリア海を眺める半島の岬にあり、新旧の港がある。荘厳なロマネスク様式の大聖堂、高く威厳ある要塞、各時代の影響を反映した建築様式など、これまでの歴史の面影が伺える。
フランスやスペインの影響を受けた広場には、教会や美術館などの名所がある。細い路地には、地元らしさのあるレストラン、カフェ、ショップなど人気の店、観光客向けのお土産屋が立ち並ぶ。
「Teatro Margherita(マルゲリータ劇場)」は、旧港の海中に支柱を建て、1914年に開場した。新市街(Bari Nuova)には、「Teatro Petruzzelli(ペトゥルッツェッリ劇場)」がある。地元の人々を通して、現代までこの街が大切にしてきたものが見えてくる。
Teatro Margherita(マルゲリータ劇場)
Teatro Petruzzelli(ペトゥルッツェッリ劇場)
旧市街のオレキエッテ通り
旧市街にあるオレキエッテ通りでは、丸くて耳のような形をしたオレキエッテをこねて手作りし、明るいイタリアのシニョーラが店の采配をふるう。日本ではあまり見る機会のない、カラフルなオレキエッテも売られている。路地は活気に溢れていて観光客も多く、気軽に買える地元の土産物があって散歩も楽しい。
路地裏で、バーリのシニョーラから、オレキエッテを実際に習い、短冊状にカットされた生地を丸めてみる。愛情深いイタリアのマンマ(お母さん)のような手ほどきは、旅以上の感慨を覚え、地元の暮らしを感じさせてくれる。
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近くにある、旧市街で有名なパン屋の「Panificio FIORE(パニフィーチョ フィオーレ)」は、フォカッチャを買い求める人が多い人気の店で、いつも大賑わい。店自体が古い歴史的な建造物で、教会の名残りが見られる。生地にじゃがいもが入っているバーリ伝統のフォカッチャは、地元の人々の生活にも、観光客にも大人気だ。安くてボリュームがあり、プーリアの恵みである小麦やオリーブオイルの美味しさと、店の人々が手でこねる愛情が詰まった美味しさだ。
Panificio FIORE
@panificio.fiore
バーリのサン・ニコラ祭 (5月)
Festa di San Nicola in BARI (May)
旧市街の象徴は、ロマネスク様式の「The Basilica of S. Nicola(聖二コラ大聖堂)」。聖ニコラ(イタリア語でサン・ニコラと呼ばれる)は、街の守護聖人。無実の罪に苦しむ人を救い、貧しい家庭の3姉妹に金の3つの球を与え、海では暴風雨を鎮めて生命を助けた等、数々の奇蹟を起こしたエピソードで知られている。その為、特に海運、子ども、冤罪を守護されるとされ、人々の信仰が厚い。子どもたちにプレゼントを届ける姿と重なり、サンタクロースの伝説のモデルとなったのは、聖ニコラとも言われている。
この聖堂には、聖ニコラが地下に眠っている。船乗りがバーリの聖ニコラ教会に安置したとされるのが、1087年5月9日。そのため、この街の大切な記念日で、前後3日間に渡って、毎年祭典が開催される。
San Nicola 2025
キリスト教の重要な地として、イタリアだけではなく、世界中の人々が巡礼に訪れる聖ニコラ大聖堂。5月7日には、巡礼者を迎えて聖なるミサが行われ、夜は華やかなパレードが開催される。フェデリコ2世の広場を、歴史を表現したパレードが出発し、街を練り歩き、最終の到着地であるサン・ニコラ広場を目指す。聖なる行事だが、街全体が盛り上がり、お祭り気分に包まれる。5月8日は聖ニコラの上陸を祝い、夜は海上で祝福の花火を打ち上げる、一大スペクタクルだ。祈りを捧げてライトが灯されるルミナリエは、非常に美しく、広場の街のレストランは遅くまで賑わう。5月9日は、マンナと呼ばれる聖ニコラが眠る地下の聖水を回収する日。不思議なことに現在でも自然に発生しているそうだ。守護聖人の奇蹟は、今でも続いている。
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南イタリア・プーリア州
The Flavors of Puglia プーリアの味を巡る旅
【アルタムーラのパン】
Bread in ALTAMURA【ルティリアーノのマッセリアで料理】
Focaccia in a Masseria, RUTIGLIANO
【青い街・カザマッシマ】
CASAMASSIMA【コラートのオリーブオイル】
Olive Oil in CORATO
【サン・セヴェーロのワインセラーを訪ねる】
Wine in SAN SEVERO【アンドリア産ブッラータのチーズ職人】
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【港町のモスカート・ディ・トラーニ】Moscato in TRANI【バーリの歴史的散策、オレキエッテ通り】
Orecchiette in BARI【バーリのサン・ニコラ祭 (5月)】
Festa di San Nicola in BARI (May)
地元の人々に愛される憩いの場
Mercadante Forest(メルカダンテの森)
家族でピクニックしたり、子どもから大人まで、バーリの人々にとって親しみのある憩いの場もある。滞在中のリフレッシュに、広大な森をのんびりと散歩して、気持ち良い緑の中で過ごしてみてはいかがだろう。
<Information>
公式サイト
www.weareinpuglia.it
協力
PUGLIAPROMOZIONE(プーリア州観光局)
https://www.viaggiareinpuglia.it/en/
#weareinpuglia #pugliaforfoodies #vieniamangiareinpuglia #pugliapromozione
photo & text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE 編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。
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