加藤和樹『ジャック・ザ・リッパー』インタビュー アンダーソン&ジャック2役、再演で向き合う“内面から生まれる表現”
演出家・白井晃の言葉
白井晃さんについて伺います。これまで、稽古などを通して印象に残る思い出や言葉はありますか?
印象に残っていることは本当にたくさんあります。最初はもう、20代の頃からご一緒させていただいているので、思い出はありすぎるくらいです。
白井さんは本当に熱い方です。稽古も長いし、しつこい(笑)。何回も、何回もやる。千秋楽までダメ出しをくださる愛を感じます。「観客なら作品は終わりかもしれないが、お前の演劇人生は続いていく。だから、俺はダメ出しをするんだ」と言われたことがありました。次の芝居にも活きるようにと、その言葉は今も心に残っています。
2021年上演の『ジャック・ザ・リッパー』が白井さんとご一緒した直近の作品になるのですが、個人的に嬉しかったのは、若い頃の芝居が全くできていない頃に「お前、芝居下手くそだな」と言われていた自分に、「頼もしくなった」と声をかけてもらったことです。今回の撮影でお会いした時にも「貫禄が出たな」と。そういう言葉は、すごく嬉しいですね。
再演で同じ作品をもう一度演じられるというのは、役者として本当に贅沢なことです。“演劇の師”と仰ぐ白井晃さんと、このように今回もご一緒できることは、自分にとって本当に光栄なことであり、あらためて身が引き締まる思いです。
キャリアを重ねても、気持ちは“新人”
数々の話題作への出演が続く中で、プレッシャーとはどのように向き合っていますか。
どの作品も毎回プレッシャーです。年齢を重ねてキャリアを積めば積むほど、求められるものも高くなっていきます。だからこそ、発声だったり芝居の基礎だったり、忘れてはいけないことを、おざなりにしないようにしています。
物語の中心となる主役を演じる機会も多くあり、幅広い舞台や役柄でご活躍中です。現在、役者としての心境は?
物語はみんなで作るものですから、もちろん主役は中心にいて自分が頑張らなければいけないという気持ちはありますが、それはどの立場にいても変わらないと思います。
キャリアも長くなって40代になり、外からはベテランに見えるのかもしれません。でも、自分の中ではあまり変わっていないんです。
若い世代もどんどん出てきていますし、諸先輩方も本当に凄い。その間にいる世代だからこそ、今の年齢でしかできない役や芝居を目指して、とにかくコツコツやっていくことです。
気持ちは“新人”でいたい。そこを忘れてしまうと、自分を過信してしまう気がするんです。年齢が上か下か、主役かどうかは関係なく、その時々の立場で自分にできることを真摯にやる、それだけです。
加藤和樹 / Kazuki Kato / ジャック・ザ・リッパー / インタビュー
<Information>
ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』
2026年12月~2027年2月
埼玉・茨城・大阪・愛知・東京にて上演
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/jacktheripper2026/
演出
白井晃
キャスト
ダニエル:木村達成/平間壮一(ダブルキャスト)
アンダーソン:加藤和樹/松下優也(ダブルキャスト)
ジャック:加藤和樹/堂珍嘉邦(ダブルキャスト)
グロリア:熊谷彩春
ポリー:花乃まりあ
モンロー:田代万里生
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オフの息抜きは?
photo by 山崎あゆみ(Ayumi Yamazaki)http://ayumiyamazaki.com/
東京を拠点に建築、旅、人物と幅広いジャンルを撮影。
text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE 編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。