川井郁子 with オーケストラ響 NY公演凱旋記念コンサート 〜East meets West〜

オーケストラ響 

CDデビュー20周年記念コンサートを機に、 和楽器と洋楽器の混合編成による「オーケストラ響(ひびき)」を2022年に誕生させた作曲家・ヴァイオリニストの川井郁子。2023年3月にデビューアルバム『響』を発売、9月には、その「オーケストラ響」を率いて初の海外公演となったNY公演を大盛況のうちに終えた。興奮も冷めやらぬ今秋、NY公演凱旋記念コンサートツアーが大阪を皮切りに開催された。

来年2024年1月7日には、スペシャルゲストに和太鼓奏者の林英哲を迎えて、待望の東京公演『川井郁子 with オーケストラ響 NY公演凱旋記念コンサート〜East meets West〜』を行う。

NY公演用Teaser

『IKUKO KAWAI with Orchestra HIBIKI ~East meets West~』
Rose Theater, Jazz at Lincoln Center's Frederick P. Rose Hall
The Shops at Columbus Circle, New York, NY

【SPECIAL INTERVIEW】川井郁子

川井郁子 ヴァイオリニスト / 作曲家
©️GEKKO

NYリンカーンセンターで公演、現地の観客が熱狂的に迎えたコンサート!

これまでに経験したことのないくらいの反応でした。ニューヨークの皆さんの歓声が、声も大きくて迫力が凄くて(笑)。

今回は、「オーケストラ響」でニューヨーク公演をするのが目的だったので、このオーケストラが花開くといいな、という思いが一番でした。とても嬉しかったですね。

NY公演中の様子

 

和と洋の響が融合、「オーケストラ響」の誕生

私は自分のアルバムを作成するときに、例えばサビの部分で自分の楽器のヴァイオリンと対峙させるときに和楽器の音色が欲しい、ということがとても多かったんです。これは、あまり他の奏者にはない感覚かもしれません。背景としてそのような思いが20年前から続き、それが講じて和楽器の方々とコンサートを行うようになり、思い切って和楽器と洋楽器のオーケストラを作りました。

2022年に立ち上げた時は、NY公演なんて思いもつきませんでした。ただ、結成して演奏した当時、これまでにない手応えを感じました。そこに偶然、ニューヨークで演奏する話があり、「オーケストラ響」の公演をやってみよう、というきっかけに繋がりました。

「オーケストラ響」のメンバーは年齢が若いので、これから新しい未来がある、という可能性を感じて頂ければ嬉しいです。NY公演は、現地NYのオーケストラのコラボレーションで、中心となる若いメンバーたちが前向きに熱量を持って、未知の世界に取り組んでくれました。

©️GEKKO

和洋の楽器で演奏の佇まいが違うのですが、和楽器の方々というのは、本当に微動だにしません。一糸乱れない凄さはアジア特有の能力のように感じ、見ている人には格好良く映るのでは、と思います。静かで迫力のある美しさを感じます。

 

音楽と映像のコラボレーション

今回のコンサートで大きな特色は、映像表現ですね。元々、イメージの基となったストーリーは、細川ガラシャの生涯です。映像は、その流れを背景に考えました。例えば、桜のシーンは有名なガラシャの辞世の句が表現されています。「オーケストラ響」のアルバムを作った後、コロナ禍での自粛中に、曲に合わせていくつかの映像の制作を既に始めていました。

自分自身で想像できることは限られますが、映像制作の上田大樹さんの世界観に膨らませていただき、音楽とぴたりとあった世界が実現しました。挑戦しながら、手応えが徐々に見えてくる感じで、映像と音楽の相乗効果を感じましたね。

(特にお気に入りの曲は、という質問に)それぞれに特色があるので選べませんが、ガラシャの思いを込めた「哀しみのグラツィア」を挙げます。墨絵のホノグラムを用い、音楽と映像のコラボレーションが気に入ってます。

 

"Unframed=越境"から生まれる世界

これまでの活動を振り返ると、不思議なくらいに全く違うジャンルからきっかけをもらうことが本当に多くて、色々な挑戦をさせて頂きました。自分自身が一番パワーあるものを作るときは、“越境”から生まれるのだ、と最近気がつきました。クラシックと別ジャンル、音楽と異なる世界など、化学反応が起きることに自分がときめくのを感じます。

 

創作の発想

私の場合、刺激を受けて直接的にすぐそれをやってみたい、と思うことはあまりなく、忘れた頃に思わぬ瞬間に昔の刺激がヒントとなって出てくることが多いですね。今回も、NYで美術館を巡り、色々な刺激を受けて帰りました。

 

NY公演を東京で再演! スペシャルゲストに和太鼓奏者の林英哲

東京公演は、スペシャルゲストに和太鼓奏者の林英哲さんをお迎えします。林さんは、昔から大ファンでいつかご一緒したいと思っていた憧れの方で、ブルーノート東京のライブで初共演できました。お一人で空間を支配する舞台は凄いと思っていましたので、最初は非常にどきどきしましたが、林さんが自らどのように舞台に貢献できるかを一番に考えてくださり非常に細かく予め計画されてご参加頂きました。なかなかそのような方は稀有なので、お人柄にとても驚きました。今回のコンサートも、和太鼓のパートに関して、全面的にお任せさせて頂いています。

 

観客に向けてメッセージ

NYや大阪でこの公演を開催した時に、「日本人でよかった」「日本人であることが誇りだ」と言われました。私たちにとって当たり前のことでも、改めて日本っていいな、と思って頂けるような、自分たちの国を別の角度から光を当てる公演内容になっていると思います。

東京会場のBunkamuraオーチャードホールは、ダイナミックなことができるホールなので、余すことなく使って、壮大な世界を実現し、一つの絵巻物のようになればいいな、と思っています。

クラシック音楽、ヴァイオリン演奏という垣根を超えた愉しめる内容なので、全く新しい舞台をぜひ観にいらしてください。

<Information>

川井郁子 with オーケストラ響 NY公演凱旋記念コンサート 〜East meets West〜

日程:2024年1月7日 (日)  14:00開演
会場;Bunkamuraオーチャードホール

出演:川井郁子(ヴァイオリン)、オーケストラ響
スペシャルゲスト:林英哲(太鼓)

発売中 キョードー東京 0570-550-799

 

text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE 編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。

 
 

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