「フォンタネージ――イタリアの光・心の風景」展 三菱一号館美術館で開幕 Antonio Fontanesi
三菱一号館美術館で10月17日、「フォンタネージ――イタリアの光・心の風景」展が開幕した。日本イタリア国交樹立160周年とフォンタネージ来日150周年を記念する本展は、19世紀イタリア近代風景画の巨匠アントニオ・フォンタネージを、約200点の作品から多角的に紹介する展覧会。フォンタネージの芸術の全貌を明らかにする日本初の大回顧展となる。展覧会では、トリノ市立近現代美術館およびトリノ博物館財団の協力のもと、初期から晩年に至るまでに描かれたフォンタネージの作品群を紹介する。
1876年、58歳で工部美術学校の画学教師として日本に招聘されたフォンタネージ。日本ではこれまで、その門下から浅井忠や小山正太郎ら初期の洋画家たちを輩出した教育者としての側面が知られている。本展では、20世紀イタリアの芸術家たちに影響を与えた、フォンタネージの先進性を検証する意欲的な企画も盛り込まれ、彼の影響と芸術的遺産に光を当てている。
開催前日に記者説明会が三菱一号館美術館「Café 1894」で開かれ、エレナ・ヴォルパート(トリノ市立近現代美術館 キュレーター)、アレッサンドロ・ボッタ(トリノ・アルベルティーナ美術アカデミー 教授)も登壇して挨拶した。
撮影:記者説明会 三菱一号館美術館「Café 1894」
本展監修者のエレナ・ヴォルパート氏は、フォンタネージが既存の風景画の様式を超え、自然を通して内面世界を表現する方向へと歩みを進めた点に注目。作品を時代ごとに辿ることで、画家の制作姿勢と表現の変化を読み解く構成になっていると説明した。
同じく監修を務めるアレッサンドロ・ボッタ氏は、フォンタネージの近代性は絵画表現だけでなく、教育をどう捉え、自然の直接観察や個人の経験を重視したことにもあると語った。その遺産は、後の世代に伝えたものの中にも遺されていると述べた。作品だけでなく、人物としての芸術的探求や経験に思いを馳せてもらえれば、と結んだ。
三菱一号館美術館の展示室で、フォンタネージの風景画を鑑賞する本展。歴史的建築と作品が織りなす空間で観るのも、魅力的な体験の一つだ。
内覧会:「フォンタネージ――イタリアの光・心の風景」三菱一号館美術館 展示風景
フォンタネージ / Antonio Fontanesi / 美術展 / Art Exhibition / 三菱一号館美術館 / トリノ / Turin / Torino / トリノ市立近現代美術館 / Galleria d’Arte Moderna di Torino / GAM
<Information>
フォンタネージ――イタリアの光・心の風景
Antonio Fontanesi: Transcending Landscape — A European Artist at the Opening of Japan
会場:三菱一号館美術館
会期:2026年10月17日〜2027年1月24日
https://mimt.jp/ex_sp/fontanesi/
text by STARRing MAGAZINE 編集部