ミュージカル『SIX』日本キャスト版 ロンドン公演 記者会見 SIX THE MUSICAL JAPAN IN THE WEST END, VAUDEVILLE THEATRE

日本キャストが登場!

日本キャストが、2025年11月にミュージカルの本場ウエストエンドデビュー!

世界中で旋風を巻き起こしている話題のミュージカル『SIX』の日本キャスト版が、いよいよロンドン・ウエストエンドのヴォードヴィル劇場にて11月に上演される。 これに先立って10月23日に記者会見が現地で開催され、到着した「日本のクイーンズ」を迎える特別な場となった。会見では、『SIX』プロデューサーのケニー・ワックスをはじめ、原作を手がけたトビー・マーロウ、ルーシー・モス、 日本公演を主催した梅田芸術劇場の村田裕子が登壇した。
*敬称略

【記者会見】 
MEDIA EVENT TO CELEBRATE THE ARRIVAL IN LONDON OF THE JAPANESE QUEENS

THURSDAY 23 OCTOBER
VAUDEVILLE THEATRE (404 STRAND, LONDON, WC2R 0NH)

2025年10月23日 会場:ヴォードヴィル劇場

Q&A with Six producer Kenny Wax, alongside Hiroko Murata, Director of Umeda Arts Theater UK, and Six writers Toby Marlow and Lucy Moss

会見内容 
*日本語要約(公式提供)
*Q&Aを中心に、記事は一部編集抜粋


『The Stage』誌の副編集長マット・ヘムリーによる、ショートQ&A

Starting with a short Q&A hosted by The Stage’s Deputy Editor, Matt Hemley

マット・ヘムリー(司会・インタビュアー)(以下、マット)

Let’s start with some questions. My first one is for Kenny. ‘SIX’ has become a global phenomenon. Can you tell us how this Japanese collaboration came about? And what excites you most about bringing it to the West End?
質問を始めましょう。まずケニーさんに伺います。『SIX』は今や世界的な現象ですが、この日本とのコラボレーションはどのように始まったのですか? そして今回ウェストエンドに持ってくることのどんな点が最もワクワクしますか?

ケニー・ワックス(プロデューサー)(以下、ケニー)
Thanks, Matt. Who could have imagined what we’ve experienced in the last six or seven years?
ありがとう、マット。この6〜7年でこんな経験をするとは誰も想像していなかったでしょうね。

As the show grew in popularity in London, we started getting international requests — one of them from Japan.
ロンドンで人気が高まるにつれて、海外からの上演リクエストが増えました。そのひとつが日本からでした。

Hiroko and I had already worked together successfully on ‘Top Hat,’ which we staged in Tokyo several times, including English, Japanese, and all-female Takarazuka versions.
村田さんとは以前、『TOP HAT』という作品で東京で何度も協働しており、英語版・日本語版・宝塚版もやりました。

So when Hiroko approached us about doing ‘SIX’, it just felt like a perfect fit.
ですから、村田さんから『SIX』の日本版の話が来たとき、「これは運命的だ」と感じました。

It’s been an amazing partnership. When we saw the audition tapes from Japan, we were blown away by the talent.
そしてこのコラボは素晴らしいパートナーシップになりました。日本のオーディション映像を見たとき、その才能に本当に驚かされました。

In Japan, they have two full sets of six queens, which is different from the UK version.
日本版では、6人のクイーンが2組存在します。これはイギリス版とは異なる点です。

When we finally saw the performance in person, we were literally blown away — it was emotional. We thought, “Wouldn’t it be amazing to bring these women to London?”
実際に現地で観たとき、あまりの完成度に感動しました。そして「彼女たちをロンドンに連れて行けたらどんなに素晴らしいだろう」と思ったのです。

Bringing the first-ever foreign-language production of a musical to the very same stage where the English version plays — that’s truly one of a kind.
英語版が上演されているこの舞台で、初の外国語版(日本語版)を上演する。それ自体が唯一無二の出来事です。

マット
Hiroko, what was the process of adapting ‘SIX’ for you and your team? And what does it mean to bring it here to the West End?
村田さん、日本語版『SIX』を制作するにあたって、どのようなプロセスを経たのか、そして今回この作品をウェストエンドに持ってくることの意味を教えてください。

村田裕子(Umeda Arts Theater/プロデューサー)(以下、村田)
(日本語で)はい、日本語でお話ししてもよろしいですか?

一番難しかったのは、英語の台本と歌詞を日本語に翻訳する作業でした。オリジナルは非常に機知に富んだ言葉遊びやリズム感のある歌詞なので、そのニュアンスを日本語に置き換えるのは大変でした。

しかし、ルーシーさんやトビーさんをはじめとするイギリスのクリエイティブチームと協力し、作品の魂と魅力を保ったまま日本語台本を完成させることができました。とてもやりがいのあるプロセスでした。

マット
Thank you, Hiroko. And it’s worth mentioning that when the show runs here in Japanese, there’ll be screens with English surtitles around the theater.
ちなみに、日本語版公演では英語字幕を劇場内の複数のスクリーンで表示する予定なんですよね。

So even English-speaking audiences can enjoy and follow the story — and maybe even appreciate the genius of the writing in a new way.
つまり、英語話者のお客様もストーリーを理解しながら、改めてこの脚本の素晴らしさを味わえると思います。

マット
And now to Lucy and Toby — when you first started writing this show, did you ever imagine it would be performed in Japanese?
次にルーシーさんとトビーさんに伺います。作品を書き始めた当初、この『SIX』が日本語で上演される日が来るとは想像していましたか?

トビー・マーロウ(共同作者)(以下、トビー)
No, not at all! It’s completely surreal and amazing.
全く想像していませんでした。本当に信じられない気持ちです。

We first learned about it when the producers approached us and shared the audition tapes from Japan. The talent was extraordinary.
日本版の話を最初に聞いたのは、プロデューサーの方々からオーディション映像を見せていただいたときです。出演者の才能は圧倒的でした。

Then we went to Japan earlier this year to meet everyone and see the production — it was an incredible experience.
今年初めに日本に行き、キャストの皆さんに会って公演を拝見しましたが、本当に感動的な体験でした。

ルーシー・モス(共同作者)(以下、ルーシー)
It was fascinating to hear our show in another language — and even though I don’t speak Japanese, I found it hilarious and moving thanks to the amazing performances and translation.
自分たちの作品が別の言語で上演されるのを聴くのはとても不思議な体験でした。日本語は話せませんが、役者さんたちの素晴らしい演技と翻訳のおかげで、とても面白く、感動しました。

We worked closely with the translator to ensure that every line kept the same spirit as the original, even if it wasn’t word-for-word.
逐語訳ではなくても、元のセリフの精神や温度感を保つように、翻訳家の方と密に連携しました。

Hearing the songs in Japanese gave the music a fresh life — it almost sounds like it was meant to be in Japanese.
日本語で歌を聴くと、新しい命が吹き込まれたようで、「もともと日本語の作品だったのでは?」と思うほど自然に感じられました。

(中略)

マット

Now, what do you hope UK audiences will take away from seeing the Japanese queens perform here?
今回、日本のクイーンズの公演を観たイギリスの観客には、どんなことを感じ取って欲しいですか?

トビー
I hope they’re as blown away as we were when we saw them in Japan — their energy, their precision, their passion.
日本で彼女たちの公演を観たときの私たちと同じように、観客の皆さんにもその圧倒的なエネルギーと情熱を感じ取って欲しいです。

ルーシー
Yes, and I think they’ll be amazed at how universal the story feels, even in another language.
そうですね。言語が違っても、『SIX』の物語がいかに普遍的であるかを感じていただけると思います。

マット
We have time for some questions from the floor — if anyone would like to ask, please raise your hand.
ここで会場からの質問を受け付けます。質問のある方は挙手をお願いします。

(会場より質問)
This question is for Kenny and Ms. Murata. Why did you decide to bring the Japanese production to London, among all the international versions? And why now?
ケニーさん、村田さんに質問です。さまざまな海外版がある中で、なぜ日本版をロンドンに持ってくることを決めたのですか? そして、なぜ今なのでしょうか?

ケニー・ワックス
The Japanese company really impressed us — this is a tough show, demanding singing, dancing, and acting all at once for 80 minutes straight.
日本のカンパニーには本当に感動しました。この作品は約80分間、歌・ダンス・芝居を休みなく続ける非常にハードな演目です。

The Japanese cast threw themselves into it with incredible energy and professionalism — we were blown away.
日本の俳優たちはその挑戦に全力で取り組み、プロ意識と熱意に満ちていました。私たちは本当に圧倒されたのです。

We thought, “They deserve to be seen in London.” That’s why.
「この人たちの舞台をロンドンの観客にも見てもらうべきだ」と思いました。それが理由です。

村田
ケニーさんとは10年以上のお付き合いがあり、常に新しい作品を一緒に作り上げてきました。最初に『SIX』の日本公演の話をいただいたとき、「ぜひやりましょう」と思いました。そして日本のお客様はこの作品を絶対に気に入ると確信していました。

この作品は日本のミュージカル界でも革新的で、「女性の力」を舞台上で描く新しい表現を切り開いています。そして、作品の生まれたロンドンにこの日本版を持ってくることは、非常に意義深いことです。

ルーシー
It wasn’t a pre-planned thing — we were just so inspired when we saw them perform in Japan that we umedately said, “Let’s bring them to London!”
もともと計画していたわけではありません。日本公演を観たとき、その素晴らしさに感動して、「ロンドンに呼ぼう!」と即決したんです。

マット
That’s amazing. And now we have another question.
素晴らしいですね。では、次の質問にいきましょう。

(会場より質問)
What is your favorite song to hear performed in Japanese, and has your favorite changed in another language?
日本語で聴くのが好きな曲はどれですか? また、言語が変わって印象が変わった曲はありますか?

ルーシー
I really love “SIX” — the title number. The translation is so clever, and the rhythm fits perfectly in Japanese.
私はタイトル曲の「シックス」が大好きです。日本語の歌詞が本当に見事で、リズムにもぴったり合っています。

トビー
For me, it’s “No Way” and “Get Down.”
僕は「ノー・ウェイ」と「ゲット・ダウン」です。

They’re rhythmically dense in English, so we were curious how they’d work in Japanese — and the result was brilliant!
英語では韻やリズムが詰まっている曲なので、日本語版でどうなるか心配していましたが、想像を超える仕上がりでした。

Hearing those songs in a new rhythm gave them fresh life.
新しいリズムで聴くと、まるで生まれ変わったようでした。

(会場より質問)
I’d like to ask about the casting process in Japan — was there anything unique compared to casting in the UK or US?
日本のキャスティングで、イギリスやアメリカと違う点はありましたか?

ルーシー
It was fascinating! We watched audition tapes in Japanese, even though we didn’t understand the language — but we could still feel the humor and energy.
とても興味深い経験でした。日本語が分からなくても、オーディション映像から演技のユーモアやエネルギーが伝わってきたんです。

It proved that great performance transcends language.
素晴らしい演技は言葉の壁を超えるということを実感しました。

トビー
Yes, and because the show was new in Japan, the interpretations were fresh — it reminded us of when ‘SIX’ first began, full of discovery.
そうです。日本では作品がまだ新しかったため、演技の解釈も新鮮で、私たちが『SIX』を作り始めた頃の“発見の楽しさ”を思い出しました。

(会場より質問)
This is for Ms. Murata — what does this production mean for Japanese women and for Japanese culture being seen abroad?
村田さん、この公演は日本の女性、そして海外で見られる日本文化にとってどんな意味を持つと思いますか?

村田
とても意義のあることだと思います。このプロジェクトはビジネスではなく、真の文化交流と人間的なつながりから生まれました。多くの出演者にとって、ロンドンの舞台に立つことは人生の夢でした。それが今回、現実になったのです。この経験を日本に持ち帰り、今後の国際的な演劇交流のモデルにしたいと思います。

マット
That’s beautiful, thank you so much. Please join me in thanking our amazing panel — Lucy, Toby, Sandra, Kenny, and Hiroko!
素晴らしいお話でした。ルーシーさん、トビーさん、サンドラさん、ケニーさん、そして、(村田)裕子さんに大きな拍手を!

 

Special performance from our Japanese queens 
日本のクイーンズによる特別パフォーマンスの様子! 初めて本拠地ヴォードヴィル劇場で、日本のクイーンズが♪「SIX」を日本語の歌詞でパワフルに聴かせて歌唱。歌い終わると、会場から拍手と歓声が起きた。

ソニン(アラゴン役)、田村芽実・皆本麻帆(ブーリン役)、遥海(シーモア役)、エリアンナ ・菅谷真理恵(クレーヴス役)、鈴木愛理 ・豊原江理佳(ハワード役)、斎藤瑠希(パー役) ※和希そら(パー役)は都合により欠席


We can’t wait to see you all again in November for SIX in Japanese at the Vaudeville!

最後は、司会者により「クイーンズの皆さん、ありがとう! ヴォードヴィル劇場の11月の日本語版『SIX』で、またお会いできるのを楽しみにしています!」と締め括られた。日英双方の期待が集まる舞台が、いよいよロンドンで幕を開ける。

FOR ONE WEEK ONLY,
SEE THE JAPANESE QUEENS IN THE WEST END

Tuesday 4 to Sunday 9 November 2025

EXPERIENCE SIX AS NEVER BEFORE… DIVORCED, BEHEADED, LIVE IN JAPANESE!
Don't miss your chance to see the Japanese Queens in action – book now to make herstory with us!
 

今年初めの東京、大阪、名古屋での完売公演に続き、高い評価を得ている日本人キャストが2025年11月4日から9日までの限定でロンドン・ヴォードヴィル劇場の舞台に立ち、全8公演を予定。この1週間は、日本キャストが登場する特別期間となる。同作の日本語上演(英語字幕付)は英国では初となり、『SIX』が本拠地で他言語によって上演されるのも、史上初。

今回、英国への招待を受けたのは 12名のキャスト全員。スケジュールの都合で全員の出演は叶わないが、12名への高い評価がこの夢の舞台への実現へと繋がった。オリジナルプロデューサーは期待と喜びを語り、「日本キャストがウエストエンドの観客を“Get Down”させるでしょう。日本語での上演という新たなSIX the Musicalにおける“her-story”(彼女たちの歴史)を築くことになります!」とコメントしている。

記事予告!【STARRing MAGAZINE】
STARRing MAGAZINE では、ロンドンで話題の舞台を11月取材予定。ミュージカル『SIX』日本キャスト版の現地レポートもお楽しみに!

<Information>

ミュージカル『SIX』
会場:VAUDEVILLE THEATRE(ヴォードヴィル劇場)
期間:2025年11月4日〜11月9日

出演者:ソニン(アラゴン役)、田村芽実・皆本麻帆(ブーリン役)、遥海(シーモア役)、エリアンナ ・菅谷真理恵(クレーヴス役)、鈴木愛理 ・豊原江理佳(ハワード役)、和希そら・斎藤瑠希(パー役)
※各キャストの出演スケジュールは公式HP参照

WORKSHOPS 
Celebrate this special Japanese language run with two exclusive SIX workshops

【ワークショップ】日本公演を記念して、日本に関する2つの特別ワークショップを開催
★11/6 5:15pm~6:45pm=日本語 WS/SIX 歌詞を通して日本語と日本文化を体験!
★11/8 12:00pm~1:30pm=漫画 WS/漫画を学び、Queen 達を漫画で描いてみよう!
※公式HP参照

【公式HP】
https://sixthemusical.com/japan/ (英語)

 

text by STARRing MAGAZINE 編集部

 
 

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