【開幕レポート】石丸幹二、井上芳雄、安蘭けい、EXILE NESMITHが日本初演ミュージカル『ラグタイム』で初共演!

9月8日 日生劇場にて

【囲み取材参加】
石丸幹二、井上芳雄、安蘭けい、EXILE NESMITH

本作品は、1998年トニー賞ミュージカル部門において、13部門ノミネート 最優秀脚本賞・最優秀オリジナル楽曲賞など4部門受賞。ドラマ・デスク賞ミュージカル最優秀作品賞・最優秀脚本賞・最優 秀作曲賞 他多数受賞。

待望の日本初演となるミュージカル『ラグタイム』が、日本演劇の名門 日生劇場60周年イヤーを飾り、9月9日にいよいよ開幕する。

日本のミュージカル界が誇るスター、石丸幹二、井上芳雄、安蘭けい ほか、多士済々なキャスト陣、藤田俊太郎(演出)、エイマン・フォーリー(振付)を始めとする才能豊かなクリエイティブ達が集結。開幕前日の8日に、公開ゲネプロに続いて、出演者4名の囲み取材とフォトセッションが日生劇場で行われた。

物語は、20世紀初頭ニューヨーク。ユダヤ人・黒人・白人、それぞれのルーツをもつ家族や仲間が登場する。舞台上には当時の写真。のちに切り絵アーティストから映画監督になる、石丸幹二が演じるターテが切り絵を作ると、そこから人物が浮かび上がって動き出す。そして、約10分もの圧巻のプロローグとなり、激動の時代を表すように3つの人種が交差する。音楽、振り、フォーメーションで魅せる大勢のナンバーは、幕開きの華やかさながら一触即発の空気感も秘めている。舞台に登場する全員が自身の人生を送っている、そんな活き活きとした姿を動きや雰囲気で見せてくれる。

世の中には素晴らしい喜びや、輝くような瞬間があると共に、不公平や痛みがあらゆるところで起こっている。そういった明暗の感情が物語に凝縮して描かれ、ルーツも、置かれた家庭環境も、年代も、多岐に渡るそれぞれの人物が描かれる。

ひとつの壮大な作品で、幾つものミュージカルを観たような、圧倒的迫力。そして、当時新しい「ラグタイム」という心躍る陽気で軽快なアメリカの音楽が全編に流れる舞台エンタテインメントとしての愉しみ。圧巻の作品力と俳優陣の凄さだ。

何よりも、迫真の演技と歌唱に胸を打たれる。黒人ピアニストのコールハウス・ウォーカー・Jr.役の井上芳雄と、遥海が演じる同じ人種の恋人のサラが一緒に赤ん坊を抱いて歌う♪「Wheels Of a Dream」、娘の未来のために移民でアメリカにやってきたユダヤ人のターテを演じる石丸幹二と人種の偏見を持たない裕福な白人家庭のマザーを演じる安蘭けいが歌う、♪「Our Children」は、作品を象徴する2つの曲。

劇中では、井上と遥海が人生の煌めきと喜びや悲しみを激動の時代の中で色濃く、石丸と安蘭が長い年月を経ての信頼や、親子の絆の穏やかで温かなものを感じさせてくれる。

東啓介が演じる、マザーの弟であるヤンガーブラザーは、不器用な若者。この物語の白人には、誰も名前が付けられていない。彼は、時代に翻弄され、自身が揺らぎながらも希望ともなる青年の代表のようでもある。言葉足らずで、悩んで迷うが、人種を超えて理解しようとする芽生えた気持ちには嘘がないことが、その歌と演技で観客にも伝わる。

作品には、実在の人物が何人も登場し、年代のリアリティを感じる。EXILE NESMITHが演じる思慮深い教育者で作家のブッカー・T・ワシントンや、少女のようにブランコに乗って登場する綺咲愛里が演じるイヴリン・ネズビットはスキャンダラスなニュースで新聞や広告に頻繁に登場する当時の美人女優であった。

人々が未来を動かし夢見た物語を通して、観客も歴史を一緒に体験することになる。

圧倒的な表現力、パワーを持つ出演者たちが彩る、このプロダクションは、日本の舞台の歴史においても大きな意義と足跡を残す作品になるだろうミュージカルの大作だ。


公開ゲネプロに続き、石丸幹二、井上芳雄、安蘭けい、EXILE NESMITHへの囲み取材が舞台上で行われた。

*コメント一部抜粋

 

石丸幹二
「この作品は、四半世紀前に作られている作品です。日本で上演される時には出演することが、私の夢でした。夢が叶い、嬉しくもあり、お客様がどのような反応をされるのか、期待と不安が入り混じっている、そんな気持ちです」
「弱者が強者に向かっていく、そこで闘うということは世界中で起きています。だから、アメリカの出来事として描かれているけれど、自分たちの身近な問題と何ひとつ変わらないと、ここまで辿り着いて改めて思いました」
「今回は、動きや振付、衣裳でも、それぞれの人種を強調しています。衣裳は、黒人はカラフルな色、白人はまさにピュアな白、移民のユダヤ人はグレー。所作も違いますし、そのような形で表現がされています」
「この作品の大きなテーマは、“つながり”と“愛”だと思います。皆んなで元気に、お客様にお届けすることが叶うよう、無事に公演を務めたいと思います」

井上芳雄
「人種の話なので、たくさんのハードルがおそらく日本で上演する際にあったと思います。それらを皆んなで越えてきて、自分たちなりの表現を見つけて初日を迎えます。どう伝わるか、受け取られるかは分からないのですが、この作品の大きなテーマを届けようというのが、一番大事なことではないかと思います。音楽は、素晴らしい曲が何曲もあります」
「アメリカは最初から大きな国だったわけではなく、たくさんの人々の力で成り立ってきたのだ、と感じました。時代は違うけれど、自分たちとも深い繋がりのある話だと思います。人種の問題はどう描くかという見た目ではなく、その思いや生活してきた匂い、動作や文化で、その人となりを表現できたらいいな、と思っています」
(共演を聞かれて)「NESMITHさんは、お芝居の力強さや説得力の強さが凄い、と毎回思います。緊張感のある場面も、NESMITHさんが演じるワシントンを受けて出ればいいんだ、と思うと安心します。稽古が終わってからも、ピアノとセリフを一緒に合わせる姿を拝見したので、努力されたと思いますし、役者としてのNESMITHさんは本当に豊かで素敵です」
「正直、お客様にどう受けとってもらえるのか、こんなにドキドキする作品はありません。同時に、日本の演劇界、ミュージカル界にとって大事な作品になるんじゃないかなと感じています。この(表現の)やり方が通用すれば、誰もが、どの国、どの作品でも、どんな役でも、演じられる。そのような勇気が湧くような作品です。ぜひ“証人”になって、その眼で観ていただきたいと思います」

安蘭けい
(共演者について)「この短期間でここまで作り上げることができたのは、舞台を経験されてきた方々がいたからこそなので、自信を持っています。それぞれの役の作り方やお稽古の様子を見て、皆さんの背中を見てきました」
(演出家・藤田俊太郎氏について)「私は昭和の人間なので、褒められると『本当ですか?』と信じられなくて不安になります。素晴らしい、という言葉は信じてないのですが(笑)。私からも意見が言いやすく、受け入れてくださいます。役者の言葉をよく聞いてくださる方です」
「お話も、音楽も素晴らしい作品です。私たちのカンパニーにしかできない『ラグタイム』が、誕生します。ぜひ楽しみにして頂きたいです」

EXILE NESMITH
「まず、この御三方の横に立っているのが信じられません(笑)。本当に、有難い機会を頂きました。題材のセリフやシチュエーション、葛藤が僕自身のルーツの先にあるのかな、と重ねながら稽古しました。自分にとっても、この作品は忘れられない歴史になると思います」
「皆さんと作り上げられたことが幸せですし、お客様のリアクションも楽しみに、自分たちで伝えられる歴史の出来事を感じてもらえたら、と思います」
 「今の時代につながるメッセージがたくさん込められた、皆さんの人生を豊かにする作品になったと思います。ぜひ、お楽しみにしてください」

 

Photo by Ayumi Yamazaki STARRing MAGAZINE

<Information>

ミュージカル『ラグタイム』

9月9日(土)~30日(土) 日生劇場(東京)
10月5日(木)〜8日(日) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)
10月14日(土)〜15日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール(愛知)

公演HP:https://www.tohostage.com/ragtime/

出演:
石丸幹二/ターテ
井上芳雄/コールハウス・ウォーカー・Jr
安蘭けい/マザー

遥海/サラ
川口竜也/ファーザー
東 啓介/ヤンガーブラザー
土井ケイト/エマ・ゴールドマン
綺咲愛里/イヴリン・ネズビット
舘形比呂一/ハリー・フーディーニ
畠中 洋/ヘンリー・フォード*&グランドファーザー
EXILE NESMITH/ブッカー・T・ワシントン

ほか

脚本:テレンス・マクナリー
歌詞:リン・アレンズ
音楽:スティーヴン・フラハティ
演出:藤田俊太郎
振付:エイマン・フォーリー
翻訳:小田島恒志
訳詞:竜真知子

 

text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE 編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。

 
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